出版業界と聞くと、「斜陽産業」というイメージを持たれる方が多いと思います。誰が見ても明らかなように、デジタル化が進んでいる時代です。そういった感覚を持つことは当然ですし、実際に出版物の売り上げは伸び悩んでいます。

それでは、今後もITの台頭が続くであろう社会において、出版業界は縮小していくしかないのでしょうか…?

今回は、出版業界の現状と課題を整理・分析するとともに、生き残りの方法について考えてみたいと思います。

出版業界の現状

出版業界の規模は、13年連続縮小傾向にあります。かなり前から傾いているのですね…!この出版不況の理由を一口に「デジタル化」で終わらせるのではなく、少し整理してみましょう。

まず、電子書籍の単価の安さが問題です。

紙が売れないなら、電子書籍を多く売って収益を得れば良いようにも思えますよね。実際に2019年上半期、紙の本の売り上げは4.9%減少しているのに対し、電子書籍は22%増加しているそうです。しかし、全体では1.1%減。つまり、電子書籍の単価は安く、紙の本の不調を補いきれないのです。

次に、人々が出版物に触れる時間の減少も問題点として挙げられます。

ひと昔前(とは言ってもつい最近ですが)、書籍や雑誌を読む場所の代表格と言えば電車やバスの中でした。それが最近では、皆が皆スマートフォンに視線を落としています。YouTubeNetflix、そしてSNSなど、読書以外にも隙間時間で手軽に楽しめるコンテンツが多く登場した結果、そもそも人々が過ごす時間の中に本の入り込む余地がなくなってしまったと言えるでしょう。

出版業界の課題

上記のような問題点がある中で、選んでもらえるようなコンテンツを提供するにあたって避けては通れない課題があります。

①「個人」と戦う

インターネットを使えば、誰でも情報の発信者になれるこの時代。コンテンツを作り出すのは、出版社だけではなくなりました。実際、個人がブログやInstagramを用いて小説の投稿をしているケースをよく見ます。「インフルエンサー」の文章は実に大勢にリーチし、時にはメディアを動かす力も持ち得ます。つまり、出版社は今後、ライバル社と同時に個人とも戦っていかなければならないのです。

  映え要素

最近は、「インスタ映え」が流行語大賞を獲得するくらい、見た目のきれいさが受けますよね。しかし、食や景色と違い、本は「映え」とは遠いものです。カバーのデザインを工夫するにも限界があるのではないでしょうか。もはや流行に必要不可欠な要素である「映え」を提供しづらいところも課題の一つと言えるでしょう。

解決策

①個人と戦う必要がある ②映え要素を出しにくい という2つの課題に対して、解決策を考えてみたいと思います。

まず①に関して言えば、一般人の作品を利用し、それと協力することが考えられます。出版社はターゲットのニーズに耳を澄ませ言語化することが第一に求められるところ、世に溢れる一般の人による作品群は大切な情報です。いうなれば顧客の「願望」が詰まっている作品を読み解き、ニーズを抽出して反映させる。それだけでなく、人気を集めている作品とのコラボ企画を打ったり、作家デビューへの道を開いたりするなども良いでしょう。「個」が強まっているこの状況をうまく味方につけると、需要に応えたコンテンツを作成することができます。

そして②本は映え要素を出しにくい という課題についてですが、まずは別のものとコラボレーションすることが考えられます。既に浸透しつつありますが、ブックカフェなどがその例です。小説に出てくる料理を食べられる「STORY STORY(ホームページ:https://www.yurindo.co.jp/storystory/)というお店が特に話題。料理と一緒に本を買って写真を撮りたくなりますよね♪

また、固定観念を取っ払って本の形自体を工夫するのも一つです。こちらをご覧ください。↓

城崎温泉というところでは、城崎がカニで有名であることにちなみ、カニを模した本を販売しています。とても面白いですよね!話題性抜群のこの企画はたくさんのメディアで紹介され、大成功を収めているようです。

出版はコンテンツ業界なので内容を重視するのも大切ですが、思わずスマートフォンを向けたくなるような「見た目」にこだわることが生き残る上でカギになってくるかもしれません。

最後に

いかがでしたでしょうか。時流を意識し、顧客が手に取りたいと思えるような作品をつくることを心がければ、出版業界の未来は明るいと言えるのでは。むしろIT化が進む社会において、物語を作って文章にし人の心を動かすということは人間にしかできない芸当です。読書はまだまだ国民的趣味。ビジネスチャンスはいくらでもありそうですね!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です