みなさんは金融業界にどのようなイメージを持っているでしょうか。『安定』している業界?『高給』である業界?『エリート』な人が多い業界?、、、大体この辺りが、よくみなさんが抱くイメージなのではないかと思います。果たしてこのような金融業界のイメージは、その実情を正しく表しているのでしょうか?本記事では金融業界の概論解説から始め、業界全体の課題とそれらの解決策を提示していきたいと思います。

<目次>

  1. 金融とは
  2. 金融業界の現状
  3. 金融業界を構成する4分野
  4. 金融業界の課題
  5. 解決策
  6. まとめ

1.金融とは

そもそも「金融」とは何でしょうか。教科書的に言えば、金融とはお金を余っているところから不足しているところに流す、「資通」を意味します。金融の形態は資金の流れ方によって直接金融間接金融の二つに分けられるのですが、直接金融では、お金が欲しい側(企業)がお金を持っている側(個人)から株式や社債などを通して直接資金を調達する形態のことを指します。証券会社がその例です。一方間接金融では、銀行のようにお金が欲しい側(企業)が、お金を持っている側(個人)の預金先である別の機関を経由してお金を調達する形態のことを指します。

2.金融業界の現状

まずは金融業界全体の市場規模を把握しましょう。2018年の金融業界の市場規模は64兆5,970億円で、129業界のうちで4位となっています。また収益性も10.6%増と、高い増加率を保持しています。業界内規模を比較すると銀行が圧倒的に大きく、リース、証券、クレジットと続いています(業界動向サーチ 2018年)。

3.金融業界を構成する4分野

金融業界は銀行、証券、保険、ノンバンクによって構成されています。それぞれの業務内容を見ていきましょう。

ⅰ 銀行

主に預金業務、貸出業務、為替業務の三つの業務があります。

預金業務

個人や企業からお金を預かり、代わりに管理する業務です。

貸出業務

いわゆる融資です。預かったお金を第三者に貸し出す業務で、対企業向けには設備投資の融資、対個人向けには住宅購入資金や教育資金の融資などを行っています。

為替業務

預かったお金を別の場所に振り込む業務です。例えば振り込み・送金、手形・小切手を使った支払い、クレジットカードや公共料金の口座振替などがこれにあたります。

銀行というくくりの中でも、メガバンク、地方銀行、信託銀行、信用金庫・信用組合といった4機関があります。

ⅱ 証券

証券会社にはブローカー業務ディーラー業務アンダーライター業務セリング業務という4つの業務があります。それぞれについてざっと説明していきます。

・ブローカー業務

株を「売りたい」「買いたい」という法人や個人投資家どうしを結び付ける仲介役の業務です。

・ディーラー業務

証券会社自身で有価証券を売買する業務です。

・アンダーライター業務

新規の株式や債券を買い取り、他の企業や一般投資家に販売する業務です。売れ残りは引き取る必要があるため、証券会社自身、リスクを負います。

・セリング業務

発行元の企業や引受会社からの要請を受け、既にある株など有価証券を多くの一般投資家に買ってもらえるように勧誘する業務です。セリング業務では、たとえ証券が売れ残っても証券会社が引き取る必要はありません。

証券には顧客との取引が執り行われる場所の区別で、店舗証券(独立系&メガバンク系)ネット証券の二つが存在しています。

ⅲ 保険

保険の業務には保険業務金融業務の二つがあります。

保険業務

加入者から保険料を集め、加入者が亡くなる、あるいは持ち物に損害が生じるなどした場合に保険金を支払います。

金融業務

保険会社は機関投資家という顔も併せ持っています。預かった保険料を元手に資産運用をすることで、会社自体が利益を得るだけでなく、加入者に支払う保険金を十分に確保しています。

また保険の種類には生命保険損害保険があります。読んで字のごとく、両者の一番大きな違いは保険をかける先が人か物かですが、それだけではあまりに淡泊なのでもう少し詳しく見ていきます。

生命保険

いわゆる第一分野です。終身保険や養老保険がこれにあたります。契約期間は10年や20年または一生と長く、契約金をそのまま支払う定額給付であることが特徴です。

損害保険

第二分野と呼ばれる保険の種類です。自動車保険や火災保険、地震保険など災害リスクに備えた様々な種類が存在しています。生命保険と比較して契約期間が1年であることがほとんどで、損害分のみを保証する実損てん補型です。

ⅳ ノンバンク

銀行の貸出業務を行わず、与信業務(融資・立て替え・保障)のみを行う機関のことを指します。その際の貸付金は銀行から借り入れしており、借入時の金利よりも高い金利で貸し出すことによって利益を得ています。一般にキャッシングにかかる審査が銀行よりも早期であるというメリットがあります。主なノンバンクは消費者金融、クレジットカード、リース会社などです。

4.金融業界の課題

これから金融業界はどうなっていくのでしょうか?現在、そして今後も直面するであろう3つの課題について考察してみましょう。

ⅰ マイナス金利

マイナス金利政策の導入により、銀行にお金を預けていてはどんどんお金が減っていくという現象が発生しています。それに伴い、貸出の利回りも低下するため、金融機関の経営を圧迫してしまうという懸念があります。

ⅱ テクノロジー化への対応

銀行の紙面業務など、日常業務において非効率的な作業が多く残っています。その実態を窺えるようなニュースとして、メガバンク三行は、AI(人工知能)などを活用し作業を効率化していくことで、今後10年で3万人分を超える業務を削減する計画を立てています。

ⅲ 少子高齢化

日本国内は少子高齢化が進み、2050年までには老年人口が労働人口を超えるという予測が出ています。生産年齢人口の減少によって国全体の規模ではGDPが下がっていくことが予想されますし、預金余力層の減少という観点から預金額の低下など、人口減少に紐づいて発生する問題も多数考えられます。

5.解決策

では次にこうした課題に対して、金融業界としてはどのような対策を講じる必要があるか、考えてみましょう。そのうちの一つとしてあげられるのは、「より生活者、顧客目線に立ったサービスの提供」です。生産年齢人口の減少などによって金融業界全体が縮小していく中で、より契約者一人一人の目線に合わせたサービスを展開していく必要があるのではないでしょうか。ATMの手数料や設置店舗、保険の加入の煩雑性や手間など、利用者側に寄り添うことで改善されるサービスはたくさんありそうです。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?『安定の金融業界』と言われている一方で、マイナス金利などの政策やAIなどのテクノロジーの進歩、人口減少など、社会の変化への対応力が求められています。その上で「顧客視点に立つ」ことで、より生活者に快適かつ便利なサービスを提供することができ、そしてこれが金融業界を取り巻く数々の暗雲の中に見出す光となるかもしれません。

出典

「AIで10年間で3万人分の業務削減 転職を希望するメガバンク社員が続出」livedoor NEWS 2016年2月16日https://news.livedoor.com/article/detail/14310365/

「金融業界」業界動向.com https://gyokai-search.com/3-kinyu.html

「金融業界の業界研究!仕事内容から選考対策まで就活生に人気の金融業界を徹底解剖」Biznote 2019年4月18日https://biz-note.jp/industry-research-financial/


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