マーケティングプロセスとは、商品の価格やプロモーションを決定するまでの過程のことを指します。過程は全部で5つに分かれており、環境分析、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、マーケティングミックスの順に進めます。順調にいかなかったときには上流側へフィードバックすることで、再度プロセスを検討し直します。

マーケティングを始める前に、まずは企業内外を取り巻く環境がどのような状態かを分析する必要があります。これが環境分析です。外部環境の分析方法には、政治的・経済的・社会的・技術的要因に着目して分析するPEST分析、業界内に影響を与える5つの要因の力関係を分析する5F分析などがあります。また、自社の内部環境を分析する方法として、それぞれの事業の市場成長率と市場におけるシェアに着目するPPM分析などがあります。これらのフレームワークを使って内外の環境を把握し、新たな市場の開拓、投資すべき事業の選定、マーケティング目標の決定などを行います。

次に、セグメンテーションを行います。セグメンテーションとは、顧客を類似の購買行動をとる集団に分類することを言います。例えば、年齢、性別、職業、居住地域など、様々な切り口で細分化していきます。最近は、万人受けする商品を大々的に売り込む方法は非効率敵であるとされ、世代別や地理別の特性に応じた戦略を立て、ピンポイントに売り込む方法が主流となっています。そのためセグメンテーションを行う際には、セグメント間の差異が明確になるように、製品と顧客を細分化することが重要になります。また、どの企業も目をつけていないようなセグメントをいち早く見つけ出すことで、競合他社よりも優位にマーケティングを行うことが可能になります。

環境分析の結果と細分化したセグメントを見比べて、ターゲットとなる市場を決定します。これをターゲティングと言います。ターゲットを決める際には、製品・サービスという軸と、顧客セグメントという軸を用いるのが一般的です。「特定のセグメントに特定の製品だけをピンポイントに売り込む」「セグメントごとに望まれている製品を供給する」など、ターゲットは自由に決めることができます。

ターゲットが決まったのなら、次は自社製品と競合他社製品を差別化するためのポジショニングを行います。ポジショニングを検討する方法として一般的に用いられているのが、2つの軸を選んでつくったポジションマップに、自社製品と競合他社製品を顧客目線で配置していく方法です。ポジションマップを作成することによって、自社製品の優れている点と劣っている点を見える化することができます。また、ポジションマップの隙間が空いているところを狙ってポジショニングすることで、競合他社との差別化を図ることができます。ポジションマップを作る際は、2軸の要素は重要度が高く、独立しているものでなければなりません。例えば、機能性と価格というマップにしてしまった場合、価格は機能に依存してしまうため、この2つの軸は独立しているとは言えなくなります。また、ポジショニングを行う際には、必ず満たすべきmust要素と、なくても問題ないがあれば喜ばれるbetter要素の2つを意識することが大切です。特に後者のbetter要素をインパクトのある製品にすることで、他社製品との差別化を図ることができます。しかし、顧客が望むbetter要素は常に変化し続けているため、柔軟に対応し続ける必要があります。

ターゲットが決まったら、いよいよ具体的に製品をどのように売り出していくかを考えるマーケティングミックスに取り組みます。マーケティングミックスは「マーケットの4P」とも言われ、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4要素が、定めたターゲットに整合しているかという観点でマーケティングを進めていきます。例えば、高級志向の化粧品を売り出そうとした場合、セレブ女優をCMに起用した高品質で高価格な化粧品をドラッグストアに卸しては、ターゲットと4Pの整合性が取れずに失敗する可能性が高くなります。この場合、安価な化粧品が揃うドラッグストアよりも、百貨店の化粧品売り場に卸した方が、狙っていたセグメントのもとに届く確率が高くなります。このように4Pの打ち手をターゲットやポジショニングなどの概念と整合性が取れているものに絞り、その中でも高い効果が望める打ち手に投資していくことが重要です。


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