人間中心設計とは、ビジネスにおいて注目を集めるデザイン思考のひとつです。かつては、作り手が提供する商品やサービスを、ユーザーはただ利用するだけでした。技術が発達していく過程においては、新たに提供される商品やサービスは目新しいものが多く、ユーザーは新商品というだけで満足することができました。

しかし、技術の進歩が緩やかになっていくにつれて、ユーザーが感じる目新しさは薄れ、世の中にあふれる商品から自分の欲しいものを取捨選択するようになりました。そこで、「作り手が良いと思うもの」ではなく「ユーザーが欲しているもの」を提供するために、ユーザーのニーズや使いやすさを中心に据える考え方が出てきたのです。それが人間中心設計です。ユーザーを中心に商品設計することで、ユーザーの満足度を高めるとともに、サポートコストを低減できるため、作り手にもメリットのある考え方です。

人間中心設計は、インタビューやアンケート、実際に商品を使用している様子を観察するなど、ユーザーが求めているものを探すことから始まります。ただし、アンケートで集めた意見に従って商品開発をすれば良いというわけではありません。重要なことは、ユーザー自身も気づいていないような、潜在的なニーズを掘り起こすことです。

アンケートなどのヒアリングだけでなく、行動観察も併せて行うことで、アンケートと行動の相違などから潜在的なニーズを発見することができます。また、ユーザーへの調査は一度だけでなく、試作段階にも複数回行い、ユーザーの要求を満たす完成度の高い商品により近づけていくことが重要です。


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