今回扱う用語は、相関係数と回帰分析です。どちらも堅そうな言葉ですが、これらを使いこなせれば、ビジネスの場において数値を用いた説得力のある説明をすることができます。
分かりやすく解説していきますので、イメージしながらゆっくりお読みください!
相関係数

相関係数とは、2 種類のデータの関係を示す指標です。数値は-1 から 1 までの間に収まり、下の表に示した基準がよく用いられます。

広告にかける費用と売上高の関係を例にとって考えてみましょう。
「正の相関がある」とは、片方の値が上昇すれば、一定の割合でもう一方の値も上昇する関係にあることを意味します。費用と売上高が正の相関であれば、使用した広告費と共に売上高も上昇しているということが確認できます。
反対に「負の相関がある」とは、片方の値が上昇すれば、一定の割合でもう一方の値は減少する関係のことです。費用と売上高の関係が負の相関であるならば、広告費の効果は薄いと判断することができます。はっきりとした負の関係が見られる場合、損失が大きくならないうちに広告戦略の見直しを図る必要があるでしょう。
また、相関係数の絶対値が大きいほど相関関係は強くなり、相関係数が1の場合は完全な正の相関、-1の場合は完全な負の相関があるということになります。
回帰分析

回帰分析は、こうしたデータの関係性をより具体的に数式(一次方程式:Y=aX+b)に落とし込む分析方法です。
分析結果の使途としては、
・因果関係が想定される2つの変数の関係を調べる
・宣伝費と売上高の関係が分かっていれば、目標とする売上高に対して宣伝費を決定する
・人口と商店数の関係が分かっていれば、ある市の人口からその市の商店数を予測する
などが考えられます。
そしてこの回帰分析の方法は、単回帰分析と重回帰分析の大きく2つに分けることができます。
例えば、原因となる変数をXとし、それらの結果となる変数をYとしましょう。
「単回帰分析」では、Yの変動をXの動きで示すことができないかを分析します。この際の基本的な数式としては、Y=aX+bが用いられます。
「重回帰分析」では、Yの変動を、2種類以上のX(ここではX1、X2とします)の変動で示すことができないかを分析します。この際には、Y=a1X1+a2X2+・・・+bといった数式が用いられます。
つまり、予測したい変数(Y)を説明する変数(X)が1つのときは単回帰分析、2つ以上のときは重回帰分析となるということです。
この分析によって実際のデータを示す数式を発見すれば、将来の売上高などの予想が可能となり、ビジネスにおいて大きな効果を得ることが期待できます。
終わりに
売り上げを伸ばす施策を考えるにあたって、「このような行動を取ったらこうなるだろう」と予測することは必要不可欠です。しかしいくら順序立てて予測できたとしても、具体的な数値があるのとないのとでは、説得力や確実性が大きく変わります。また説明を聞くときにも、これらの知識がなく損をすることがあるかもしれません。
ぜひ覚えて、活用してみてください!
参照サイト:
Sci-pursuit.com. 相関係数の意味と求め方 – 公式と計算例[online] https://sci-pursuit.com/math/statistics/correlation-coefficient.html (アクセス日:2020/07/24)
回帰分析(1)~回帰分析の仕組み[online] http://www.aoni.waseda.jp/abek/document/regression-1.html (アクセス日:2020/07/24)