サービスマーケティングの7Pとは、マッカーシーのマーケティング要素の4Pに、コトラーがさらに3Pの要素を付け加えた物を言います。マッカーシーの4Pとは製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)を指し、コトラーが付け加えた3Pは、Personnel(人・要員)、Process(業務プロセス・販売プロセス)、Physical Evidence(物的証拠)です。コトラーが3Pを新たに付け加えた理由は、現在のサービスの特性にあります。つまり非有形性(intangibility)、同時性(simultaneity)、非貯蔵性(perishability)、変動性(heterogeneity)です。

現在のサービスは形が無かったり、サービスの提供する側とされる側が同時に存在する必要がある物であったり、貯めておく事が不可能な物であったり、同じサービスを提供する事が不可能である、等の特徴があります。美容室を例に挙げましょう。以前してもらったヘアスタイルをまたやって欲しい、これは美容師個人が覚えているかどうか、つまり個人的なスキルに関わる物で形がありません。また美容師とカットを受ける人間は同時に居る必要があります。サービスの特性上、貯めておくことも出来ません。また同じサービスを常に提供出来るとも限りません。美容師が別の人間の場合もあります。これらの、経営上解決したい事柄の為に必要なのが、PersonnelでありProcessでありPhysical Evidenceです。徹底した教育を行う事で誰が担当をしても同等のカットを行う事が出来るようにする。顧客のカット内容を全て保存しておく事で、顧客の過去の同じサービスを提供して欲しいと言うニーズに応えます。これは常に業務内容を記録しておくという業務プロセスの構築なしには不可能な事です。サービス内容の記録によってノウハウの貯蓄も可能にし、本来形の無いサービスを有形化しています。また、カットに不満があった場合は次回は無料にする等のサービス券を発行する事で、顧客に安心感を与える事が出来ます。同時性については、美容師の身体は一つしかありませんから完全な対策は無理ですが、美容師間で経験や業務内容をシェアする事で同等のサービスを提供する事は可能です。

これはコトラーの7P活用のほんの一例に過ぎません。マッカーシーの4Pもコトラーの7Pも、サービスマーケティングのフレームワークでしか無いのです。これを効果的に使用するには、他の同業者との差別化を図るためのサービスをいかに提供するかという点に重点を置くべきです。7Pすべてに対して全力で取り組む事は出来ません。注力のバランスをどうやって取るのか、限られたリソースを活用するにはどうすべきか。経営上要求されるバランス感覚を戦略面で活かす能力が必要になっていきます。

他のフレームワークとして「サーバクション・フレームワーク」「サービス劇場型アプローチ」も提唱されています。サービスマーケティングを効率的に行うために、これらのフレームワークを併用する事も選択肢の一つになるでしょう


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